2017年11月12日
マイクロレールソー 完成
マイクロレールソー完成です。

マイクロレールソー
実は既に1年以上前に完成していたのですが、使う機会がなかったので放置していました。(苦笑 しかしこの度、デスクトップチェスト製作に活躍する場が発生したのでやっと実戦投入することとなりました。
そもそも、マイクロレールソーとは何ぞや? ここで言うレールソーはレールを切断するツールではありません。
簡単に言うとガイドレール構造の超小型丸ノコ。このような代物は市販されていないし、あらら独自の造語なので一般的な呼称ではありません。
3×6(910×1820)のようなデカい板を切る場合はフツー丸ノコを使いますが、2.5mmの薄いMDFボード切断には大仰すぎる。もっと気軽に使えるツールはないかなと思い設計したのがマイクロレールソー。
既製品で適合するものもリストアップしました。
ブラック&デッカー EVO183P1の実機をホームセンターで確かめてみたところ、重心が高くて安定性がイマイチ。丸ノコアタッチメント装着時の重量2kg超は重すぎ。マルチツールは便利そうだけど専用機と比べたらやっぱり使い勝手が悪い。
マキタのHS301DSHは重量1.5kgと良いんじゃないかなと思うけど、こちらもちょっと重心が高くて安定性に欠ける。ちなみに、ジグソーは真っ直ぐ切れないので問題外。
ということで、市販品にパッとしたものが無い。
無いのなら、作ってしまえホトトギス。それがあららの真骨頂。
主要パーツはネットオークションで安価に入手したプロクソンの「コッピングソウテーブル
」を利用。ギアユニットをミニサーキュラーソウテーブルのものに換装してノコ刃を取り付けられるようにします。

左のギアユニットがミニサーキュラソウテーブル用。
●ベースの製作
基準となるパーツなので剛性と精度を重視して設計。アルミ角パイプ2本に3mm厚アルミ平板を入れ剛性の強化を図った。

剛性と精度の他にコンパクト性も考慮。

モーターとギアユニットを仮組みした状態。
ベースにはアルマイト処理したアルミ板を採用し剛性と滑りの良さを確保。

真ん中部分にガイドレールが通る。
チップソーは木材、樹脂、アルミ用の「No.27016 チップソウ φ50mm」に換装。
マイクロレールソーの特徴
●レール移動による高い直進性

アルミアングルをガイドレールに用いてその上をスライドさせることによりバカでもチョンでも真っ直ぐ切ることができる。特に大きい板など平行ガイドが使えない場面で真価を発揮。

これがマイクロレールソーの神髄。
●超低重心・軽量コンパクト

重量のあるモーターを極限までベースに近づけることで市販の丸ノコではあり得ない超低重心を実現。手を離しても傾くことがなく、切り口は常に垂直を維持。軽量コンパクトボディは気軽に扱うことができる。

超低重心が抜群の安定性を生み出す。質量は1.3kg。
●ノコ刃上ハンドル

通常の丸ノコはガイド方向に押さえる力と前に押し込む2つの力作用が発生し、またノコ刃の左側にハンドルが位置することで不安定となり手首の不要な動きでノコ刃の進行方向にブレが生じることがあります。しかし本機は力作用を一方向のみにし、ノコ刃の上にハンドルを配置することでさらなる安定性を得ました。

人間工学に基づき、力を一方向のみにすることでブレを低減。

持ち方はこんな感じ。

押しボタン電源スイッチ。ハンドルを持つ親指で操作する。
●ガイドレール固定専用クランプ
ガイドレールを固定するための専用クランプも製作。市販のクランプでは高さがあり引っかかってしまうので専用の物を用意する必要がありました。


アルミ材とCクランプのパッド付きボルトで製作。
切断厚はφ50mm刃で最大10mm。元となったミニサーキュラーソウテーブルは8mmなのでプロクソン設計より2mmも出すことに成功。

刃高さ10.2mm。極力刃が出るように設計。
●丸ノコとの比較
小型のノコ刃径145mm丸ノコとの比較。質量が1.5kgを超えると持って作業するのがしんどくなるので軽量なのは助かる。

丸ノコは日立工機のFC5MA
をちょっち改造したもの。マイクロレールソーと同じくガイドレール構造を施した。
●仕様
電 源:100V 50/60Hz
消費電力:80W
回転数:3,500,minˉ¹(回 ⁄ 分)
機体寸法:W193×D120×H79
切断厚さ:φ50mm刃使用時:~10mm/φ58mm刃使用時:~13mm
重 量:1.3kg
定格使用時間:15分
●材料
・プロクソン コッピングソウ(モーターのみ)
・プロクソン ミニサーキュラーソウテーブル(ギアユニットのみ)
・プロクソン チップソー「No.27016 チップソウ φ50mm」
・押しボタンスイッチ(オルタネート)
・各種アルミ材
・アルミ複合板
・MDFボード
・各種ネジ
・電源コード
・クリアファイル
・カッティングシート
・スプレー缶(ブラック、クリア)
・デカール
・使用工具
・卓上スライド丸ノコ 日立工機 C6RSHC
・卓上ボール盤 レクソン DP2250R 改
・小型テーブルソー プロクソン 28070 改
・インパクトドライバ 日立工機 WH14DDL
・ドライバドリル 日立工機 DS10DAL
・ドライバー #1、#2
・スパナ
・ワイヤーストリッパー エンジニア PA-06
・ハンダこて goot PX-201
・ピンバイス
・カッター NTカッター A-300GRP
・金工ヤスリ
・ぺーバーヤスリ
・クランプ
・接着剤 コニシ ボンド G17 170ml
・接着剤 コニシ ボンドウルトラ多用途SU 120ml(箱) クリアー
・プリンタ
・ラミネーター
・総評
2.5mm厚のMDFボード切断のために製作したと言っても過言ではないツール。それがマイクロレールソー。
2.5mm厚のベニヤであればカッターで切ることができますが、MDFボードはカッターではナカナカ切断することができません。かといって丸ノコを持ち出すのも重いし部屋が汚れるしで気が重い。それで気軽に使える超小型軽量丸ノコが欲しくなった次第。
使い勝手の方はまぁまぁ。工作精度は悪くないのでその方面では問題ありませんが、モーターパワーがとにかく非力なのでストレスがかかると引っかかりが発生しあまりスムーズとは言えない。ただ、カッターや丸ノコ使用に比べればこっちの方がまだマシって感じ。切り口は結構キレイで合格点を与えられるレベル。切粉の飛散も少ないので部屋が汚れにくい。刃の高さ調整や傾斜切りはできません。
デザインは…ダサいですね。(苦笑; 機能性や剛性・コンパクト性を優先させた結果ああなりました。もっとも、あれでもレールをどう通すかとか色々考えてデザインしたんですけどね。
点数を付けるとしたら69点…くらいかな。構造及び性能上、通常の丸ノコより危険性が格段に低いので安心して使えるのもメリットといえる。デカい薄い板専用切断機としてまずまず活躍してくれそうです。
モーターは松下電器製です。

卓上スライド丸ノコやテーブルソーでは面倒なちょっとした斜め切りにも気軽に投入できる。写真は5.5mm厚のベニヤ板。
マイクロレールソー
実は既に1年以上前に完成していたのですが、使う機会がなかったので放置していました。(苦笑 しかしこの度、デスクトップチェスト製作に活躍する場が発生したのでやっと実戦投入することとなりました。
そもそも、マイクロレールソーとは何ぞや? ここで言うレールソーはレールを切断するツールではありません。
簡単に言うとガイドレール構造の超小型丸ノコ。このような代物は市販されていないし、あらら独自の造語なので一般的な呼称ではありません。
3×6(910×1820)のようなデカい板を切る場合はフツー丸ノコを使いますが、2.5mmの薄いMDFボード切断には大仰すぎる。もっと気軽に使えるツールはないかなと思い設計したのがマイクロレールソー。
既製品で適合するものもリストアップしました。
ブラック&デッカー EVO183P1の実機をホームセンターで確かめてみたところ、重心が高くて安定性がイマイチ。丸ノコアタッチメント装着時の重量2kg超は重すぎ。マルチツールは便利そうだけど専用機と比べたらやっぱり使い勝手が悪い。
マキタのHS301DSHは重量1.5kgと良いんじゃないかなと思うけど、こちらもちょっと重心が高くて安定性に欠ける。ちなみに、ジグソーは真っ直ぐ切れないので問題外。
ということで、市販品にパッとしたものが無い。
無いのなら、作ってしまえホトトギス。それがあららの真骨頂。
主要パーツはネットオークションで安価に入手したプロクソンの「コッピングソウテーブル
左のギアユニットがミニサーキュラソウテーブル用。
●ベースの製作
基準となるパーツなので剛性と精度を重視して設計。アルミ角パイプ2本に3mm厚アルミ平板を入れ剛性の強化を図った。
剛性と精度の他にコンパクト性も考慮。
モーターとギアユニットを仮組みした状態。
ベースにはアルマイト処理したアルミ板を採用し剛性と滑りの良さを確保。
真ん中部分にガイドレールが通る。
チップソーは木材、樹脂、アルミ用の「No.27016 チップソウ φ50mm」に換装。
マイクロレールソーの特徴
●レール移動による高い直進性

アルミアングルをガイドレールに用いてその上をスライドさせることによりバカでもチョンでも真っ直ぐ切ることができる。特に大きい板など平行ガイドが使えない場面で真価を発揮。
これがマイクロレールソーの神髄。
●超低重心・軽量コンパクト

重量のあるモーターを極限までベースに近づけることで市販の丸ノコではあり得ない超低重心を実現。手を離しても傾くことがなく、切り口は常に垂直を維持。軽量コンパクトボディは気軽に扱うことができる。
超低重心が抜群の安定性を生み出す。質量は1.3kg。
●ノコ刃上ハンドル

通常の丸ノコはガイド方向に押さえる力と前に押し込む2つの力作用が発生し、またノコ刃の左側にハンドルが位置することで不安定となり手首の不要な動きでノコ刃の進行方向にブレが生じることがあります。しかし本機は力作用を一方向のみにし、ノコ刃の上にハンドルを配置することでさらなる安定性を得ました。
人間工学に基づき、力を一方向のみにすることでブレを低減。
持ち方はこんな感じ。
押しボタン電源スイッチ。ハンドルを持つ親指で操作する。
●ガイドレール固定専用クランプ
ガイドレールを固定するための専用クランプも製作。市販のクランプでは高さがあり引っかかってしまうので専用の物を用意する必要がありました。
アルミ材とCクランプのパッド付きボルトで製作。
切断厚はφ50mm刃で最大10mm。元となったミニサーキュラーソウテーブルは8mmなのでプロクソン設計より2mmも出すことに成功。
刃高さ10.2mm。極力刃が出るように設計。
●丸ノコとの比較
小型のノコ刃径145mm丸ノコとの比較。質量が1.5kgを超えると持って作業するのがしんどくなるので軽量なのは助かる。
丸ノコは日立工機のFC5MA
FC5MA 改 | マイクロレールソー | |
ノコ刃直径 | 145mm | 50mm |
切断厚 | 46mm | 10mm |
消費電力 | 800W | 80W |
回転数 | 5,100 | 3,500 |
サイズ | W211×D245×H210 | W193×D120×H79 |
質量 | 2.3kg | 1.3kg |
●仕様
電 源:100V 50/60Hz
消費電力:80W
回転数:3,500,minˉ¹(回 ⁄ 分)
機体寸法:W193×D120×H79
切断厚さ:φ50mm刃使用時:~10mm/φ58mm刃使用時:~13mm
重 量:1.3kg
定格使用時間:15分
●材料
・プロクソン コッピングソウ(モーターのみ)
・プロクソン ミニサーキュラーソウテーブル(ギアユニットのみ)
・プロクソン チップソー「No.27016 チップソウ φ50mm」
・押しボタンスイッチ(オルタネート)
・各種アルミ材
・アルミ複合板
・MDFボード
・各種ネジ
・電源コード
・クリアファイル
・カッティングシート
・スプレー缶(ブラック、クリア)
・デカール
・使用工具
・卓上スライド丸ノコ 日立工機 C6RSHC
・卓上ボール盤 レクソン DP2250R 改
・小型テーブルソー プロクソン 28070 改
・インパクトドライバ 日立工機 WH14DDL
・ドライバドリル 日立工機 DS10DAL
・ドライバー #1、#2
・スパナ
・ワイヤーストリッパー エンジニア PA-06
・ハンダこて goot PX-201
・ピンバイス
・カッター NTカッター A-300GRP
・金工ヤスリ
・ぺーバーヤスリ
・クランプ
・接着剤 コニシ ボンド G17 170ml
・接着剤 コニシ ボンドウルトラ多用途SU 120ml(箱) クリアー
・プリンタ
・ラミネーター
・総評
2.5mm厚のMDFボード切断のために製作したと言っても過言ではないツール。それがマイクロレールソー。
2.5mm厚のベニヤであればカッターで切ることができますが、MDFボードはカッターではナカナカ切断することができません。かといって丸ノコを持ち出すのも重いし部屋が汚れるしで気が重い。それで気軽に使える超小型軽量丸ノコが欲しくなった次第。
使い勝手の方はまぁまぁ。工作精度は悪くないのでその方面では問題ありませんが、モーターパワーがとにかく非力なのでストレスがかかると引っかかりが発生しあまりスムーズとは言えない。ただ、カッターや丸ノコ使用に比べればこっちの方がまだマシって感じ。切り口は結構キレイで合格点を与えられるレベル。切粉の飛散も少ないので部屋が汚れにくい。刃の高さ調整や傾斜切りはできません。
デザインは…ダサいですね。(苦笑; 機能性や剛性・コンパクト性を優先させた結果ああなりました。もっとも、あれでもレールをどう通すかとか色々考えてデザインしたんですけどね。
点数を付けるとしたら69点…くらいかな。構造及び性能上、通常の丸ノコより危険性が格段に低いので安心して使えるのもメリットといえる。デカい薄い板専用切断機としてまずまず活躍してくれそうです。
モーターは松下電器製です。
卓上スライド丸ノコやテーブルソーでは面倒なちょっとした斜め切りにも気軽に投入できる。写真は5.5mm厚のベニヤ板。
◎コメントは内容確認後に掲載となります。なお、責任持てないので技術的質問には原則応じていません。