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2017年01月24日

自作ハイトゲージ 完成

 安物のデジタルノギスを購入してから1年以上放置していましたが、何となく気が向いたのでハイトゲージを完成させました。ハイトゲージとはその名の通り、高さを測る計測器具です。


測定範囲は100mmまで。ベースのサイドのアルミ板に滑り止めの肉抜き加工。

 アルミを主体とした構造なので見た目はまぁまぁと思います。が、市販のステンレス製と比べると硬度が低いのでキズが付きやすい欠点がある。まぁ、自分の設備ではステンレス加工なんてできないので仕方ない。

 主要な用途はテーブルソーやトリマの刃高さ合わせ。なので計測精度はそこそこあればOKって感じ。

 今回の製作コンセプトは「コスト抑制」と「コンパクト」。市販のデジタルハイトゲージはフツーに買うと安くても4万円近くするので低い使用頻度や必要性を考えるとおいそれと手が出せません。


ベースとなるカーボンファイバー製安物ノギス。最小読取値0.1mm。ミツトヨ製と比べるとオモチャです。

 アナログのノギスは目盛りを読み取るのが面倒くさいので初めからデジタルしか眼中にありません。それに基準点を変えられる点でもデジタルの方が優れている。



 ステンレス製だと加工が厄介なので敢えて安物のカーボンファイバー製をチョイス。

・設計
 メインパーツとなるノギスは液晶のユニット部分と本尺に貼り付けられている銅板のみ使用。


バラした安物ノギス。

自作ハイトゲージ 完成
本尺の目盛りステッカーの下に銅板が貼り付けられている。コイツを剥がしてアルミ平板に貼り直す。

 本尺には3mm厚アルミ平板をチョイスして剛性をアップ。


銅板を貼り付ける箇所は0.7mm掘り下げる。

 ボディの基本構造はアルミ材の組み合わせ。


設計図。基本設計はメーカー品と同じ。使いやすさとシンプルさを重視。

 ベースには6mm厚スチール平板を組み込み質量アップさせ安定性を確保。ちなみにスチールの比重はアルミの約2.9倍あります。


スチール平板を金工ノコギリでガリガリ切ります。スチール加工は疲れる… 45×32×6mmのスチール板3枚をベースに内蔵。

 メーカー品で比較的小さいデジタルハイトゲージ(ミツトヨ「HDS-20C」)との対比図。


圧倒的なコンパクトボディ。

・接触点灯機能
 スクライバと刃が接触すると通電してLEDが点灯するという接触点灯機能。コイツは和樽さんとmonacoさんのアイディアを参考にさせていただきました。ミツトヨでは「タッチセンサ(標準価格7,150円)」としてオプション展開している。


刃にはミノムシクリップを咥えさせる。

 ミノムシクリップコードはピンフレームで抜き差しできるので不使用時にコードがウザくなることがない。ピンフレーム(ソケット)は秋月電子で購入。15円也。

自作ハイトゲージ 完成
接触するとベースに内蔵した赤色LEDが点灯します。


刃高さを20mmに設定する手順。(58秒)


配線が外部にゴチャゴチャ露出しているのはクールじゃないのでベースに内蔵させています。

 LEDの点灯にはボタン電池のCR2032を使用。3Vなので都合がよい。電池ケースも秋月電子で購入。

・微動アジャスター
 細かい調整を可能にする微動機構も組み込み。0.1mm単位の調整が簡単にできて大変便利。

自作ハイトゲージ 完成
微動機構はハイトゲージに必須装備と心得る。貫通ナットはホームセンターで購入。

・スクライバ
 標準スクライバはアルミ製なのでケガキはできません。ケガキしたらスクライバの方が摩耗してしまう。(汗

自作ハイトゲージ 完成
アルミ製。

 それでケガキ用スクライバを別途製作。先端にカッターの刃を装着する構造。なお、底面(基準面)より1mm高い位置に刃があるので50mmのところにケガキしたい場合は49mmの位置に設定する必要がある。

自作ハイトゲージ 完成
カッター刃はネジ止めなので交換が容易。

 一応作ってはみましたが、ケガキはいつもオリジナルのアクリル製ブロックゲージを利用して行っているのでこのケガキスクライバはあまり使わないと思う。

・デザイン
 機能性と共にデザインを重視して設計。特にベースは上部に透明アクリル板を貼り付けて品位を意識したデザイン。ネジもすべて見栄えの良いステンレス製を採用。ステンレスは光沢が違います。

自作ハイトゲージ 完成
ロゴは例のごとく自作デカール。透明アクリル板に裏から貼り付けブラックでセル画塗り。

 ロゴの「DESKTOP TOOLS」はあららオリジナルブランド。

 本尺の目盛りはカーボン柄シートにMD-5500でシルバー印刷。それを極薄ラミネート加工。

自作ハイトゲージ 完成
厚みがあると引っかかるので極力薄くなるよう考えた。0.12mm厚。

 裏側にはそれっぽい銘板ステッカーを貼付してメーカー品らしさを演出。

自作ハイトゲージ 完成
こういう小細工大好き(笑

■仕様
測定範囲:0〜100mm
最小読取値:0.1mm
繰り返し精度:0.1mm
器差:±0.3mm
使用温度:5〜40℃
保存湿度:80%以下
保存温度:-10〜40℃
電源:SR44(本体)/CR2032(LED)
寸法:H210×W102×D42mm
質量:382g

■材料
・ノギス 100mm
・各種アルミ材
・スチール平板
・アクリル板
・化粧ナット 貫通タイプ M4
・段付きローレットネジ M3×6
・電池ケース CR2032
・φ3mm LED
・ミノムシクリップコード
・ピンソケット
・収縮チューブ
・各種ネジ(ステンレス)
・スプレー缶(ブラック)
・デカール
・その他

■使用工具
・卓上スライド丸ノコ 日立工機 C6RSHC
・テーブルソー プロクソン スーパーサーキュラソウテーブル No.27080 改
・ボール盤 レクソン DP2550R 改
・ドライバドリル 日立工機 DS10DAL
・ドライバドリル リョービ CDD-1020
・インパクトドライバ 日立工機 WH14DDL
・ホットエアガン リョービ HAG-1551
・はんだコテ goot PX-201
・+ドライバー #1、#2
ピンバイス
・タップ
・金工ノコギリ
・ヤスリ
・ペーパーヤスリ
・カッター

・プリンタ アルプス MD-5500
・プリンタ OKIデータ C811dn
・ラミネーター

総評
 計測器具なので精度にはそれなりに気をつけました。が、しょせん安物ノギスがベースなので器差は±0.2mmくらい。元々高精度を期待して作ってないので概ね計画通り。本格的な計測が必要になったら素直にメーカー品を買おう。

 ただ、市販のデジタルハイトゲージってやたら高価…



 テーブルソーの刃高さ設定用途であれば十分役立ってくれるでしょう。市販品にはここまでコンパクトな製品は存在しないのでコイツのことは結構気に入ってます。w



 今回の自作ハイトゲージに使った材料はほとんどホームセンターで揃えることができます。材料費は3,000円くらい。
 旋盤やフライス盤を使った本格的なハイトゲージを自作している強者もいます。自分にゃそこまでできません。

ミニ旋盤工作室

Picco工作工房(WP)
自作ハイトゲージ 完成
ozu




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Posted by あらら at 18:20Comments(4)自作ハイトゲージ

この記事へのコメント

毎度ながら素晴らしいです。
今回のは動画で見せてもらえてワクワク感倍増でした。
いつか14式テーブルソーも見せて頂ければ嬉しいです。
tomo   2017年01月28日 21:39
tomoさん
コメントありがとうございます。
動画をそんなに喜んでくれる方がいるとは想定外でした。ただ、14式の方は残念ですが動画を撮る予定はありません。
ですが、今後も面白い物を作っていくつもりなので楽しんでもらえれば幸いです。
araara   2017年01月29日 11:17
こんにちは。
14式の件、無理を申し上げて済みませんでした。以前の記事を繰り返し眺めておきます。
今後も使い勝手と細部にこだわった逸品を見せて頂ければ幸いです。
tomo   2017年02月04日 22:24
別に謝ってもらう必要はないのですが…;;;
ご期待に応えられなくて恐縮です。
araara   2017年02月05日 01:55
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