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2010年01月16日

世界最強自作トレース台完成!!!

 トレース台改修計画完了です!!! 2ヶ月に及ぶ中身全取っ替えの大改修でした。まぁ、何をもって「世界最強」なのかって話もあるかもしれませんが、言うだけならタダだし自己満足の世界なのでいいでしょう。もし、「オレの自作トレース台の方が最強だぜ!」と異議申し立てしたい方がいたらコメント入れてください。(笑 もっとも、他の人は「市販のトレース台は高いから自分で作る」って理由が大きいと思うので、自分みたいに「市販のトレース台では満足できないから自分で作る」というアプローチとは違うと思います。安さではなく使い勝手重視だから安価に仕上げたい方にはこの記事はあまり参考にならないかも。(それでも同等の市販品と比べればかなり安いケド)


どうよ!

 このトレース台のすんばらしい点。

・900×600サイズのフルフラット天板で段差に気を遣うことなくノビノビ作業できる。(常時設置型)
・透写面寸法550×320でB4見開きもほぼ網羅
・光源にLEDを使うことで発熱を抑制し、光のムラも解消。
・部分点灯モードを装備することで無駄な部分の発光を禁止し、トレース作業を快適にする。
・輝度調整機能を搭載することで適切な輝度を設定でき、目への負担を軽減できる。
・デスクライトのスイッチ搭載(トレースライトとの切り替えがほぼ同時に行える)
・パソコンとの連携機能の充実
 ・USBハブ、カードリーダーを内蔵。
 ・外付けハードディスクを内蔵。(内蔵外付けHDD(笑 )
 ・手元集中スイッチ(パソコン、モニタ、スピーカー等を電源一括管理)
 ・イヤホンジャックを装備
・スイッチ付き外部コンセント装備

 トレース台の基本性能のみならず、手元に欲しい機能を盛り込んでみました。十分満足できるものになったけど、製作中に何度も仕様変更したためスイッチ類や内部のレイアウトに無理が生じてパーフェクトと言えないのも事実。

●改修計画発動
 以前からデスクライトのスイッチがちょっと操作しにくい状況だったのでどうにかしたかった。トレースライトを使うときはデスクライトを消すし、逆にデスクライトを使うときはトレースライトを消すので、この2つのスイッチを同時操作しやすいようにデスクライトのスイッチをトレース台に組み込むことから今回の改修計画を起案。また、どうせ改修作業をするなら手元にあると便利なUSBハブと外部コンセント、イヤホンジャックも付けてしまおう、ということに。

●パネルの塗装とデカールによるマーキング
 スイッチ類のパネルは前面に2mm厚のアルミ板(850×40)を貼り付けます。表面はアルミ地のままにするつもりだったけど、キズが多く見た目が美しくないので本体と同じホワイト塗装することにしました。長く使うものだし、見栄えが悪いと愛着がわかないので仕上がりの良さは無視できません。



 塗装する前に電動ドリルとヤスリを使ってスイッチ類の穴を開けておきます。

 ホントはウレタン塗料で塗装したいのだけど、ちょっと高価なので安いアクリル系で塗ります。何回か重ね塗りして乾いたら自作デカールを貼り付けます。デカールのデータはアドビのIllustratorで作成します。Illustrator はちょっと高価ではありますが、ペイントソフトと違って精密なグラフィックを作ることができるのでデカール作りに最適。デザイナーなら絶対に持っているソフトの1本です。デカールの出力にはアルプス電気のマイクロドライプリンタ・MD-5500を使います。コイツはインクジェットと違い白や金、銀が使え、水に濡れても平気なのでデカール作りに最適なんですね。しかし残念ながら2010年5月末日をもって販売終了してしまうということなので自作デカールを作りたい人は躊躇することなく今すぐ購入するべきでしょう。絶対買っておくべきですぞ! デカールのシートはウェーブの「クリアデカール」。



 デカールを張り終えたらデカールの保護と光沢を出すためにクリアを吹き付けます。クリア塗装には皮膜の強いウレタン系。



 乾いたら平滑にして光沢を出すためヤスリがけしてコンパウンドで磨きます。

●電装
 次は中身の電装です。当初は蛍光灯をそのまま使うつもりだったけど、ここまできたらメリット盛りだくさんのLEDに換えたくなってきたので換装することにしました。LEDは秋月電子で「5mm 超高輝度白色LED5mm OSPW5111A-Z3 30cd 15°10個入」(450円)を14個購入。全体の回路は下図のように設計。



 回路を考える上での基本的公式、オームの法則→ E(電圧)=I(電流)× R(抵抗)

 すななわち、電源が9Vで順電圧3.5VのLEDを20mAで光らせたい場合は、

 抵抗(Ω)=(9V−3.5V)÷0.02A = 275Ω
 ということになり275Ωに近い抵抗器を入れれば良いということになります。 ちなみに、抵抗器は直列接続と並列接続とでは抵抗値が全然異なってくるので注意。例えば3KΩの抵抗を2つ直列接続すると全体の抵抗値は6KΩになりますが、並列接続にすると1.5KΩになります。

 LEDが青と赤に分かれていますが、電流を分けて部分発光するようにしています。ただ、この配線では2系統同時点灯させると電圧低下により輝度が半減してしまうデメリットがあるけれど、今回は回路を作り直すのが面倒だったのでこのまま進めることにしました。もっとも、全面発光させてトレースをするようなことは滅多にないと思うし、輝度もそれなりにあるので困ることはないでしょう。



 基板の回路図。抵抗は負荷を軽減させるために並列させました。95×72サイズの基板を使ったので余裕があるかなと思っていたけど、結構いっぱいいっぱい埋まってしまいました。右側の回路はデスクライトのパイロットランプ用になっています。



 実際の回路。整備性を良くするためにコードは直付けではなくコネクタ接続にしています。



 輝度調整ユニット。抵抗値をちょっと間違えたけど実用範囲内だったのでそのまま使うことにしました。ロータリースイッチは秋月電子で購入。ストッパーを用いることで2〜12段階まで1段階ずつ設定することができます。ちょうどアナログ時計みたいな感じですね。今回は9段階に設定しました。なお、ノンショートタイプで、カチッカチッとラチェット動作になっています。



 製品にはプラスチック製のつまみ(左)が付属していましたが、安っぽいのでアルミ製(350円)のものをアキバで別途購入。丁度よい長さのものを見つけたときは「これだー!」と内心叫びました。(笑



 発光ユニット。LED は30cd の明るいものをチョイス。15×9 の135個を配置。ベースは白色の3mm厚アクリル板。はざい屋というショップで購入しました。580×345サイズが964円と爆安。このサイズだとホームセンターでは2,000円以上しますよ。
 ペヤングソースやきそばの容器がよく写真に写ってるけど、コイツがケッコー便利だったりするんですよ。食べた後も容器の外殻はキレイなままで、サイズも形も使いやすく使い捨ての入れ物として重宝しています。



 発光ユニットの裏面。LED の足を直接接続したので面倒な空中配線をする必要はありません。ショート防止のために透明アクリル板で保護しました。

●組み立て
 各ユニットが出来上がったので組み立て作業に入ります。ボディ本体は東急ハンズで購入したカラーボードで作製。



 内部配線。製作途中で何度も仕様変更したのでゴチャゴチャしたレイアウトになってしまいました。当初の計画では蛍光灯を使うつもりだったので発熱対策として冷却ファンが装備されたままになっています。
 パイロットランプと冷却ファンは消費電力が低いので9VのACアダプターを使用。左上に写っている回路がそれ。トレースライトの回路は右上のゴチャゴチャしたもの。

 HDDは外付けだと本体やケーブルが邪魔だったので「スペースの空いているトレース台の中に入れてしまえ!」ってことで内蔵させました。机の回りがスッキリして電源のON/OFFもしやすくなり快適になりました。



 かなり込み入っています。



 フロントパネル(左側)。左から手元集中スイッチ、内蔵HDD、冷却ファンのスイッチが並びます。スイッチは以前壊れたプリンタとデスクライトから取り外していたものを流用。各々にパイロットランプを付けました。手元集中スイッチは外部電源タップに接続するようになっていて、電源タップ次第でコンセントの差し込み口を増やすことができます。なお、ロゴを入れると引き締まるので「Panasonic」をマーキング。(笑



 フロントパネル(右側)。左からカードリーダー、イヤホンジャック(ステレオ)、トレースライトスイッチ×2、デスクライトスイッチ、USBハブ、外部コンセント。

・メモリーカードリーダー
 カードリーダーは色々なメモリーカードに対応しているバッファローコクヨの「BSCRA35U2」を埋め込みました。ちゃんとパイロットランプも点きます。よくデジカメのSDカードを使うのですが、普通はSDカードをカードリーダーに差し込んで、なおかつそれをパソコンのUSBコネクタに差し込む動作をしますね。しかし、トレース台に埋め込んでしまえばSDカードを片手で抜き差しするだけの工程になるので、座ったまま姿勢を変えることなく気軽に画像をパソコンに取り込めるようになります。

・イヤホンジャック
 イヤホンジャックはパソコンと接続できるので iTunes で音楽を聞きながら作業するときに便利。手元にあるためパソコン本体やスピーカーからコードを引く必要がなく邪魔にならないのでかなり快適になります。1個100円。

・トレースライト/デスクライトスイッチ
 トレースライトとデスクライトは押しボタンスイッチのオムロン「A3DT-7121」。ここはロッカースイッチではなくON/OFFが軽い力で行える押しボタンにしたかったんですね。頻繁にON/OFFするところなのでこの点は強いこだわりがあります。
 当初は別のものを購入するつもりでしたが、店頭で実際に触ってみてストローク量やあそびがあまりいい感じではなかったのでこちらに変更しました。1個890円とかなり値が張りましたが毎日操作するものなので感触の良かったA3DT-7121 にした次第。A3DT-7121 はLEDが内蔵されていて光らせることができるのですが、スイッチと連動していないのでスイッチOFF状態でも光ってしまいます。LEDをON/OFFするにはその点を考慮して配線する必要があります。

 今回の押しボタン購入で得た知識ですが、押しボタンには2種類あり、押している時だけONになるものを「モーメンタリ」、1度押せばON、もう一度押すとOFFになるものを「オルタネート」と言うんですね。A3DT-7121 はオルタネートになります。

・USBハブ
 USBハブはバッファローコクヨの「BSH3U01」を埋め込みました。コンパクトボディがチョイスした理由。普通のUSBハブは固定されていないのでUSBコネクタを差し込むときにハブ本体を片方の手で押さたりする必要がありますが、トレース台に固定してしまえば片手のみで抜き差しできるようになります。頻繁に抜き差しするUSBメモリやタブレットを使うときに威力を発揮。

・スイッチ付き外部コンセント
 外部コンセントは当初計画ではスイッチ無しだったんですが、ハンダ付け作業をやっていて頻繁にコンセントの抜き差しを強いられた経験からスイッチがあった方が便利だと思い急遽取り付けました。エアーブラシのコンプレッサーを使うときにも重宝しそうです。ON/OFFを視覚で確認できるようにこっちもキッチリパイロットランプを設定。



 光源の仕様変更で急遽取り付けることになった右側サイドパネル。アルミ板の段差が出ないように埋め込みました。トレースライト輝度調整つまみがカッコよいです。ネジも頭が出っ張ってない平らな超極低頭ネジをチョイス。



 左サイド。冷却ファンと内蔵HDDのUSBコネクタ。



 背部。Panasonic ♪



 背部パネルは人の目に触れないので埋め込んでいません。手抜き。(笑 「デスクライト IN」は当初コネクタだったんだけど、光源の仕様変更にともないコンセントに変えたのでマーキングの位置がちょっと変になってしまいました。一番右のコンセントは電源タップへ。


●トレースライト
 肝心要のトレースライトの点灯です。LEDの光は蛍光灯と違い指向性が強いのでそのままではトレースライトには不向き。そういうワケで光を拡散させてやる必要があります。拡散させるにはLEDに拡散キャップというものを被せてやればOK。秋月電子で50個200円を3つ購入。





 右側はそのまま、左側は拡散キャップを被せた状態。それでもちょっとまだら模様ではありますが、トレースする紙を置けばまったく気にならない。もちろん、眼精疲労の原因となるチラツキや集中力を削ぐノイズなどは一切なし。

 市販のトレース台にはない機能、部分発光モード! 不必要な回りが光らないので発光面の広いトレース台のように発光不要部分を厚紙で遮光するような鬱陶しいマネをしないで済み、快適なトレース作業ができます。このトレース台最大のポイントですぜ!



 真ん中だけ点灯させることができるトレース台は世界でこれだけ!(たぶん)



 逆に回りだけ光らせるなんてこともできます。こういう使い方はしないと思うけど。

 部分発光だけじゃありやせんぜ旦那、輝度を変更することもできちゃいますよ!
 写真と線画のトレースでは適した輝度が違うのでこの輝度調整機能は重宝します。



 輝度は蛍光灯には及びませんが、かなり明るいので暗い写真のトレースでもまったく問題ナシ。というか、輝度最大にすると眩しいくらい。それと27W蛍光灯は眩しすぎました。(苦笑 線画のトレースなら輝度調整でかなり暗めに設定しても十分透写します。



 トレース台を自作している人は多いけど、輝度がちょっと足りないんじゃないかなぁと思うものもチラホラと。線画の透過なら問題なくても、暗い写真を厚みのある原稿用紙にトレースする場合はそれなりの明るさがないと色や濃淡の違いが判別できなくて苦労します。透過具合をチェックする場合はコピー用紙ではなく、風景写真などをインクジェットプリンタで出力し、それが110kgの上質紙でどれだけ透けるか見るべきです。



 これは普通のコピー用紙よりちょっと厚いカラープリンタ用紙にプリントした写真を110kgの上質紙に透過した比較。輝度の違いでこれだけ見やすさに差が出ます。輝度が低いと暗い部分がサッパリわかりません。


 トレースしてみました。暗い写真をトレースするコツは明るい光源を持つトレース台を使う他に、プリントアウトする前にPhotoshop等の画像処理ソフトで明るくしたりコントラストをつけてトレースしやすい画像にすることが有効です。

●天板
 天板マットにコルクシートを採用。トレースライト部分を切り抜きます。コルクシートはセントラル画材オンラインショップで購入しました。コルクってなんか見た目がナチュラルでちょっと心が和みますね。



 600×900mm 厚み2mmが920円とかなりお安かった。実際に届いたシートのサイズは640×950と一回り大きかったけど。
 透写面は5mm厚の乳半アクリル板。以前購入したToo.のトレース台は3mm厚のアクリル板を採用していたんだけど、3mm程度だとたわんで快適なトレースができませんでした。アクリル板は5mmは必要です。コルクシートの厚さ2mm分を出っ張るように配置する。
 一番上には2mm厚の透明アクリル板(600×900)を乗せフルフラットにします。天板がフルフラットかどうかで使い勝手に雲泥の差が出るので、ここも重要。ホントは強化ガラスにしたいんだけど、今回は見送り。ガラスは真冬だと冷たすぎるらしい。

ちなみに、改修前の状態。



 スイッチはトレースライトの1つだけ。手前のスイッチは電源タップの手元スイッチ。



 中身は光源の蛍光灯ユニットのみ。スっカスカです。(笑

●完成!

 2ヶ月に及んだ改修作業もなんとか無事完了しました。蛍光灯タイプのものをベースにしたので最薄部でも60mmもあるのがちょっとって感じでしょうか。LED前提で設計していれば20mmは薄くできたんですが…。まぁ、おおむね満足の出来です。電気の素人の自分でもこのくらいは作れちゃうんですね。今回はナカナカ楽しい工作でした。これでトレース作業が快適になることでしょう。

●経費
・LED(140個)450×146,300
・LED 3mm(白/10個)100
・LED 3mm(赤/10個)100
・LED 3mm(青/5個)100
・拡散キャップ(50個)200×3600
・ユニバーサル基板(92×72)160
・ユニバーサル基板(72×48)60
・ロータリースイッチ150
・電解コンデンサ(200V 10uF)40×4160
・ブリッジダイオード(7個入)600V 1A100
・整流ダイオード(20本入)1000V 1A100
・1/4Wカーボン抵抗(370Ω)100
・1/4Wカーボン抵抗(490Ω)100
・1/4Wカーボン抵抗(2KΩ)100
・1/4Wカーボン抵抗(3.3KΩ)100
・1/4Wカーボン抵抗(4.7KΩ)100
・1/4Wカーボン抵抗(6.8KΩ)100
・1/4Wカーボン抵抗(12KΩ)100
・1/4Wカーボン抵抗(33KΩ)100
・1/4Wカーボン抵抗(68KΩ)100
・1/4Wカーボン抵抗(120Ω)100
・オムロン「A3DT-7121」890×32,670
・ロッカースイッチ10
・つまみ350
・イヤホンジャック(ステレオ)100×2200
・イヤホンジャック分配器200
・コンセント 50×4200
・電源タップ(6個口)800
・USBハブ(コクヨバッファロー/BSH3U01)1,180
・カードリーダー(コクヨバッファロー/BSCRA35U2)1,780
・ネジ(3×25)100
・ネジ(3×20)120×2240
・超極低頭ネジ(3×25)180
・超極低頭ネジ(3×30)180
・木ネジ(3.1×32/20本)80
・すずめっき軟銅線(0.65mm/10m)390
・収縮チューブ(2mm)120
・収縮チューブ(4mm)160
・収縮チューブ(6mm)160
・収縮チューブ(8mm)180
・収縮チューブ(6mm)348
・ELコネクタ130
・冷却ファン(50mm角)150
・USBコネクタ(メス)50
・USBコネクタ(オス)50
・配線コード黒(単線/0.75×6m)240
・配線コード黒(平行線/0.4×18m)800
・アルミ板(1000×40×2)386×2772
・アルミ板(1000×30×2)360
・アルミ板(1000×20×2)360
・アルミ板(1000×15×2)×2320
・L字アルミ板(30×2mm)546
・アクリル板(580×345×3)964
・アクリル板(580×345×1.5)450
・コルクシート(900×600×2)920
・スプレー缶(白)750
・クリアデカール1,000
・その他諸々約2,000

合計約26,320

※元々あったボディ本体やアクリル板の代金は含まず。

 当初は安く仕上げるつもりだったのに、ずいぶんカネかけたな…。ただ、故障した場合メーカー品だと数千円取られるところでも自分で修理できるので数百円で済むのもメリットと言えるかな。

 市販品ではLED光源で明るさの調整が出来る無段階調光機能の付いたムトートレーサーが人気のようですね。ちょっと値段が高いけど、本格派の方には最適のトレース台だと思います。

 市販の安い薄型LEDトレース台は光源をサイドに配置して反射光で照らすエッジライトという方式を採用しています。このエッジライトの利点は光源が少なく済むのでコストが抑えやすく、薄くしやすいということが挙げられます。ただ反面、輝度が低くなる傾向があるので、「安くて薄いLEDトレース台は暗い」という認識を持った方がいいでしょう。また、安いトレース台はコスト削減のために薄いアクリル板を採用する製品が多く、薄いアクリル板は手を乗せると凹むので作業がしづらくなります。
 ムトートレーサーのいいヤツはたぶん、光源を一面に敷き詰めた直下式かと思われます。直下式の利点はムラがなく、輝度も高くできるところ。逆にデメリットはある程度の厚みが必要になる点ですね。店頭で直に触ってみたところ、透写面の剛性もそれなりにあって適度な厚みのアクリル板を使っていると感じました。
 トレース台の購入時、何を最優先にするべきか考えてみてください。値段や薄さだけで決めるのはどうかと思います。

(A3サイズ)
MLT-A3
(B4サイズ)
SLT-B4C
(A4サイズ)
SLT-A4C

■MUTOH LightBoard(調光機能付き)
ムトートレーサー ライトボード MLT-A3(A3サイズ):39,398 円(税込・送料込)
ムトートレーサー ライトボードスリム SLT-B4C(B4サイズ): 21,900円(税込・送料込)
ムトートレーサー ライトボードスリム SLT-A4C(A4サイズ):15,900 円(税込・送料込)





●使用工具
・電動ドリル
・ピンバイス
・ドリル刃
・金属用棒ヤスリ
・木工用棒ヤスリ
・金属用ノコギリ
・+ドライバー
・スパナ(5.5mm)
・ハンダコテ
・テスター
・ニッパー
・プライヤー
・アンビルバイス
・彫刻刀
・ドライヤー
・ハサミ
・カッター
・ノギス
・定規
・紙ヤスリ
・両面テープ
・コンパウンド



【2011.4.16 追記】
 2011年3月11日の東日本大震災で電力状況が深刻な事態となりました。停電になると完全デジタル化した人たちなんて何にもできなくなりますよね。かくいう半アナログの自分も電気がなければトレース台が使えず状況は一緒。
 ということで、今回の震災を教訓に「電池駆動式トレース台」をちょっと考えてみました。なお、新たにトレース台を作るのではなく、「世界最強自作トレース台」に乾電池を電源とした別系統を構築する予定。使用する電池は、電器店では単1、単2乾電池が軒並み品切れになっていたので入手が容易な単3乾電池とします。

 停電時でも使えるトレース台になれば、もう無敵ですね。(笑 緊急非常用なので電池駆動では輝度調整機能は無しの方向。というか、電池の本数次第で輝度を変更できますな。

【2015.1.19 追記】
 今読み返すとずいぶん稚拙な設計だなぁって感じますね。(苦笑 二号機を作ったらもっと効率的でズッといいものになると思います。この記事を参考に作っちゃダメですよ。(笑




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Posted by あらら at 23:01Comments(1)トレース台

この記事へのコメント

素晴らしいですね
たまたまこのブログにたどり着きましたが、とてもおもしろかったです。
僕も絵を描く人間なので、めっちゃ欲しいです
南無   2016年09月26日 01:06
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世界最強自作トレース台完成!!!
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